4つの視点を考えよう
いきなりですが、質問です。
次の2つの文章の違いはどこにあるでしょうか?
文章1 : 私はいつも楽しむことができます。
文章2 : 私はいつも楽しませることができます。
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楽しむは、「私が楽しむ」 です。 自分ひとりの行為で帰結しています。
ところが、楽しませるは、「私が誰かを楽しませる。」 自分ひとりではなく、相手が出てきます。
また、時々、人の嫌がることをして楽しむ人 がいます。
しかし、人が嫌がることをして、その相手を楽しませることは不可能です。
楽しむ と 楽しませるには、言葉上では些細な違いだけれど、実は大きな違いがあります。
なぜ、こんな些細な事にこだわるかと言うと、この小さな違いに働くことの意味があると僕は思っています。社会に出て働くことの意味の一つは、これまで保護されていた立場から、自分が社会に対して積極的に関わっていくことです。
自分が何かをして貰う(学校で勉強を教えてもらう、両親に大学の学費を出して貰う、仕送りをしてもらう)から、180度転換して、自分が社会に対して何かを行っていくことです。
自分が誰かに何かを提供して、その対価としてお金を頂く。社会に出ると必ず、自分の向こうに相手が存在しているのです。
もう少し大きな目で見ると、4つの視点があります。
わたし ・ お客さん ・ 会社 ・ 社会 の4つです。
志望動機(自己PRもですが)を評価する時の評価軸の一つに、職業意識があります。要は、働く心構えが出来ているかどうか?
つまり、働くことが、自分一人で帰結するのではなく、社会との接点のなかで営(いとな)まれるものであるということを理解できているかどうかを評価します。
具体的に言うと、「わたし」を含め4つの視点を踏まえて、志望動機が語られているかを評価しようとします。
例えば、今から4パターンの志望動機を書きます。
「わたし」のみが意識されているケース。
御社のすばらしい研修制度を利用させて頂き、自分の能力をアップさせて行きたいと思い、御社を志望しました。
「わたし」と「お客さん」が意識されているケース
御社のすばらしい研修制度を利用させて頂き、自分の能力をアップさせ、お客様に喜んでいただきたと思い、御社を志望しました。
「わたし」と「お客さん」と「会社」が意識されているケース
御社のすばらしい研修制度を利用させて頂き、自分の能力をアップさせ、お客様に喜んでいただきたいです。お客様に喜んでいただくことで、御社のファンを増やしていけると思い、御社を志望しました。
「わたし」と「お客さん」と「会社」と「社会」が意識されているケース
御社のすばらしい研修制度を利用させて頂き、自分の能力をアップさせ、お客様に喜んでいただきたいです。お客様に喜んでいただくことで、御社のファンを増やしていけると思います。また、御社の環境に優しい製品が多く使われることで、社会全体に対する環境負荷が小さくなると思い、御社を志望しました。
いかがでしょうか?
自分の能力をアップさせるというのは、すべての文章に含まれています。しかし、自分の能力をアップさせることの意味やその影響をどこまで広げて考えられているかによって、大きく受け取る側の印象は変わってきます。
また、社会との接点までを語ろうと思えば、その会社の理念や方針、製品について理解していないと表現できないものです。
エントリーシートや履歴書では、スペースの関係で上記の例のようにすべての視点を網羅的に表現することは難しいかもしれませんが、4つの視点を意識して書くか否かによって、「志望動機の深さ」は大きく変わってくると思います。また、実際に書く時には、「わたし」の視点はあまり書かないでもいいと思います。だって、お金を払って教えてもらうのではなく、仕事をして給料を貰う訳ですから。
もう一点大切なことがあります。
それは、4つの視点を考える時に、それぞれがWIN(ウィン)-WIN(ウィン)の関係になっていることです。
WIN-WINとは、直訳すると両方とも勝ちの状態、分かりやすく言うとお互いにとってハッピー(HAPPY)な状態になっていることです。
上記の例で言うと。
わたしの能力が高まる(わたしも、ハッピー)、能力の高い人に対応してもらうので、お客さんも満足(お客さんも、ハッピー) となります。
関連するものが、それぞれにハッピーな状態にあることがもっとも大切なことです。逆に、どこかに無理が掛って辛抱している状態だと、一時的にはいいのですが、長期的に見れば、かならず破綻します。
是非、志望動機を考える時には、4つの視点を踏まえて考えてみてください。
そして、4つの視点をしっかり考えて、納得できる企業や就職先を見つけるてください。
それが、納得いく就職をするための方法の一つとなります。

