本原稿は、WEBマスターの重田が人事担当として、学生を支援する立場として、経験を通じ感じてきたものを新卒採用のノウハウとして公開するものです。初めて採用をご担当される人事採用ご担当者さまのお役に立てば幸いです。
はじめに
#1 採用はマーケティング活動である
新卒採用活動は、ともすれば企業側が優位な立場にあり、学生を選ぶ活動にどうしてもなりがちです。(もちろん、企業側も学生に選ばれていますが)
企業が採用選考を行えば、必ず、合格者と不合格者を出すことになります。いずれであっても、その学生さんは現在の顧客もしくは、将来の顧客になる可能性がある人々です。学生さんに誤解を与えてしまえば、「もう二度とあの会社の商品は買わない」とか「面接を受けて最悪だったので、口座を即解約した」などという不名誉な書き込みをSNS上にされることにもなりかねませんし、少なくとも一人の顧客を失うことになります。
もちろん、学生に対して媚びる必要は一切ありませんが、現在の顧客である、もしくは将来の顧客になり得ることを肝に銘じて採用活動をすることが、絶対的に求められています。
誤解を恐れずに書きますが、「如何に気持ちよく不合格の学生さんにお引取り願うか」が採用担当者に与えられた大きなミッションの1つでもあります。
ただ、これについてはそんなに難しく考える必要もありません。
例えば、以下のようなポイントになると思います。
応募いただいた学生さんに対して、何らかのすばやくい反応を返す。
出来れば、紋切り型ではない工夫が必要です。また、実務上では大変煩雑な作業にはなるのですが、不合格者へもメールや手紙で不合格の連絡をしておくと、その企業への信頼感がアップします。
(企業の現場に置き換えれば=お問い合わせを頂いた案件や引き合いに対して、すばやく見積もりを出すように。また、結果の如何に関わらず報告がないとその企業なり担当者に対して不信感を抱くはずです。)
セミナーへの参加やエントリーシート提出者に対しては、応募してくれたことに対しての感謝の気持ちを持つ。冷やかし半分の学生や何を考えているのかと思う学生もいますが、それらは基本的にイレギュラーなケースになります。
(企業の現場に置き換えれば=仕事をしていると引き合いのお話を頂けるだけでもありがたいものです。来店者やお得意先様に対して感謝するように)
誠実かつ、正直に対応する。
採用担当者を通して学生は、企業の良し悪しを判断しようとします。ですから、採用担当者は極めて重要です。
(企業の現場に置き換えれば=例えば、クレーム処理を上手く行えば、お客様は逆に信頼感をアップしてくれます。また、会社間で取引をしていると、2つのパターンがあると思います。あの会社だから取引すると言う場合、もう一つはあの会社のあの担当者だから、安心して任せられると言う場合。会社間取引においても、先方の担当者により発注に対する安心感が異なります。新卒の場合はそれが、より大きく、採用の成否に影響を与えます。)
#2 採用担当者は会社でもっとも大きな商品を売る営業マンである
前述の通り、多くの学生は採用担当者を通してその企業を評価しようとします。特に、初期の接触段階(企業説明会や一次選考等)ではその傾向が強くあります。ですから、採用担当者は、是非、自覚をもって採用活動に臨む必要があります。
別の表現をすれば、採用担当者は2つの大きなものを学生に売る営業マン(パーソン)です。
1つは、その会社そのもの。もう1つは、採用担当者自身です。
会社そのものを売る営業マン(パーソン)として
その会社のよいところや悪いところを知る必要がありますし、その企業の理念や商品について深い理解が必要です。また、それ以上に、その人が自社や自社の商品が好きであることがなによりも求められます。
次に、自分自身を売る営業マン(パーソン)として
営業をする上では、まず、自分自身をお客様に評価してもらい信頼していただくことからすべてがスタートしますので、人事採用に関わらず重要なことです。ただ、人事採用の場合は、特に、「形のない会社そのもの」や「学生自身の将来」を扱いますので、特に、自分を売ることが大切です。
これは、私自身の経験で、採用を始めた頃に上司から言われた言葉ですが、採用を担当する上で、特に、肝に銘じておくべき言葉だと常に思っています。
「採用担当者より優秀な学生は採れない、優秀な学生を採用しようと思ったら、まず、自分の人間性を高めないとダメだ。」
その時は、大変な仕事をすることになったなぁと思いました。当時私が勤めていた会社は、技術力や財務力がありましたが、中堅企業で、一般的な知名度はありませんでした。その為に会社説明会へ学生さんを集めることがまず大変でしたし、セミナー参加者に対しては、いかにして選考試験を受験してもらうかがテーマでした。そんな中で言われたのが、上記の言葉です。
「人間性の定義は何?」と問われると、答に窮してしまいますが、今、思い返せば、学生さんに対して一生懸命に話し、折角、来社して頂いたのだから、当社に縁があるなしに関わらず、何か学生さんの役に立つものを持って帰ってもらいたいとの「思い」だったように思います。そんな「思い」から、セミナーにお越しいただいた学生さんに「なぜ、働くの?」というような会社のこととは関係のない話もしておりました。
採用にあたっては、3つの力の総合力が必要だと言われています。
1.企業力
企業規模・知名度・収益性・安定性・福利厚生等々の総合的な企業の力
2.広報力
採用広報にかけることの出来る力(=採用予算と直結すること多し)
3.採用力
採用担当者のプレゼンテーション力や動機付ける力などの魅力。面接官 の技量など
基本的に企業力>広報力>採用力 の順で影響力があると思います。
ですから、採用力にフォーカスし過ぎると、「お前がしっかりしないからいい人が採れないんだ!」と言った精神論的な世界へ入り込んでしまいます。
ただ、いくら企業力や広報力があっても、内定を承諾するかどうか迷っている学生に最後の最後で「この会社に入りたい!」と決心させるところでは、採用力つまり採用担当者の力量に大きく左右されると思います。そういった意味では、とても骨の折れる仕事ではありますが、採用の仕事はしっかりと向き合えば向き合うほど、学生さんからエネルギーを頂ける大変すばらしい仕事だと思います
おことわり
新卒採用においては各企業様ごとに個別な事情もありますし、本来、新卒採用は、経営戦略に基づき決定されるべきものです。したがって、ここに記される内容が汎用性をもつものでない可能性を含むことをご理解ください。
また、本稿が重田個人の考えに基づくものであり、所属する組織の意見を表明するものでないことを、念のため申し添えます。

